東大2017地理B
 チャレンジ企画です。模試の解説をやってみました。どこまでできるかわかりませんが、やってみます!今回解説するのは「東京大学」の過去問2017年設問B(1)です。

この問題の特徴は
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 この図を読み取れるか、だと思います。この図を見て「あ!この島だ!」と、暗記している人は楽勝だったと思いますが、そうはいきませんよね。
どうやって解いていくのか、解説していきます。


1) これら3島には、北極線(北極圏の南限)、赤道、北回帰線、南回帰線のいずれかが通っている。それぞれ、a―〇のように答えなさい。





 図中のa~cの島がどこにあるのかを把握する問題です。先に述べたように形からわかる人には楽勝でしょうが、そうはいきません。ではどのように考えるべきでしょうか?ポイントは問題文を読み込もう!ということです。

設問Bの問題文を読んでみましょう。

設問B

 次の図1-2中のacは、世界の島々のうち、3~5番目に大きな面積を持つ3島の海岸線を、等積図法によって同縮尺で描いたものであり、それぞれ上が北を示している。この図をみて、以下の問いに答えなさい。



この文章中にある「3~5番目に大きな面積を持つ3島の海岸線」という部分が大事だと思います。3~5番目に大きな面積の島を覚えなきゃいけないの?そういうことではありません。その後ろ「3島の海岸線」という部分が大事だと思います。最近「海岸線の発達度(肢節量)」がよく聞かれています。(高2の模試でも出ました。)では、この肢節量とは何でしょうか?詳しくは述べませんが以下のようになっています。

◇肢節量とは?
 海岸線の長さのことであり、海岸線が複雑なもの(フィヨルドやリアスなど)ほど大きくなる。

つまりこの問題は肢節量の特徴がわかっていれば、おおよその位置は把握できるのです。

 先も述べましたが肢節量はフィヨルドやリアスが見られる地域は大きくなります。そのため北欧や北アメリカの北部では大きくなります。

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 図を見てい行きましょう。c島は複雑な海岸線をしています。と、いうことは「北極線(北極圏の南限)、赤道、北回帰線、南回帰線」の中でもっとも高緯度に位置している「北極線」ということがわかります。

 逆にbのように海岸線がまっすぐになっているものは「アフリカ」「オーストラリア」の特徴です。このことからb島は「南回帰線」ではないか、ということが考えられます。

 そして最後「a島」ですが、「北回帰線」上に図のような島はほとんどありません。あるとしたら「台湾」や「キューバ」あたりですが、形が全く異なります。(台湾は似ていますが…。)そうなると、残すは「赤道」のみとなります。

a島:カリマンタン島 「赤道」
b島:マダガスカル島 「南回帰線」
c島:バッフィン島 「北極線」

◇今回のポイント
①問題文の中にヒントがあるのでよく読み込みましょう。
②「肢節量」は頻出です。しっかり理解し、各大陸の特徴を抑えましょう。

(1)については、このような考え方で解けるのではないでしょうか?地理は暗記しなくても、その場にある材料で思考すれば解くことができます。頑張って考えてみましょう!


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