公共JKの2巻が出ました!
「成人したら、夜の街で祝杯! 競馬で大儲け! 葉巻をくわえてみたい!」
そんな昭和の映画スターのような野望を抱く女子高生、アカリ。
しかし、彼女は知りませんでした。
「18歳成人」が意味するのは、自由な祝杯ではなく、「未成年者取消権」という最強のバリアを失うことだったのです。
こんにちは。地理おた部です。
2022年度から高校で必修化され、2025年の共通テストから出題される新教科「公共」。
「難しそう」「漢字が多い」「自分には関係ない」……そう思っていませんか?
実は「公共」こそ、現代社会を生き抜くための「武器」であり「防具」なのです。
そんな「公共」の世界を、ちょっと(かなり)個性的な女子高生3人組と一緒に学べる漫画『公民JK』の第2巻が完成しました。
今回は、その中身を少しだけ、note限定で公開授業しちゃいます。
■ 目次
「スマイル0円」で契約成立!? 18歳の罠(第6限)
AIに宿題を丸投げしたら「メロスがマラソン優勝」した件(第7限)
ブラック校則をぶっ壊せ!「法治主義」と「法の支配」の決定的違い(第9限)
憲法は国民への命令じゃない?「ライオンと檻」の話(第10限)
1. 「スマイル0円」で契約成立!? 18歳の罠(第6限)
第2巻のスタートは、多くの高校生(と親御さん)が直面する「18歳成人」の話題から。

主人公のアカリ(直感で生きるタイプ)は、「大人になったら何でもできる!」と勘違いしていますが、友人のミノリに冷酷な事実を突きつけられます。
ミノリ:「変わったのは『契約』よ。親の同意なしで契約ができるようになったの。」
漫画では、この後アカリが「絶対儲かるUSBメモリ(50万円)」を買いそうになったり、「毎日焼きそばパンを献上する」という謎の契約書を作ったりと大暴走。
ここで重要なのが、経済学の概念である「情報の非対称性」です。
これらの用語は、2025年の共通テストでも頻出が予想される重要ワード。アカリの失敗を笑っているうちに、いつの間にか経済の仕組みが頭に入ってくる仕掛けになっています。
2. AIに宿題を丸投げしたら「メロスがマラソン優勝」した件(第7限)
今まさに学校現場で大問題になっている「生成AIと宿題」。
第7限では、アカリが「私の最強の友達」ことAIちゃんに読書感想文を丸投げします。

AIの回答:「太宰が『走れメロス』でマラソン大会に優勝した感動的な物語……」
笑い話のようですが、ここには現代ならではのリスクが潜んでいます。
知的財産権の問題: AIが書いた文章は誰のもの? 自分の作品として提出していいの?
自己情報コントロール権: アカリは「悪い点数の隠し方」を実名入りでAIに相談してしまいます。入力されたデータはAIの学習に使われ、世界中に共有されるリスクが……!
これに対し、お嬢様のレイナ様が放つ解決策は「サーバーごと買い取ってデータを消去(焚書)させましょう」。
……物理的な解決は一般庶民には無理ですが、このエピソードを通じて「ネットに一度出した情報は完全には消せない」というデジタルタトゥーの恐怖を学ぶことができます。
3. ブラック校則をぶっ壊せ!「法治主義」と「法の支配」の決定的違い(第9限)
「地毛なのに黒く染めろと言われた!」
第9限では、アカリが理不尽な頭髪指導に激怒し、「俺がルールだ!」と言い放つ先生と対決します。

これ、ニュースでもよく見る「ブラック校則」の問題ですよね。
ここでアカリたちは、法哲学の核心に触れます。それが「法治主義」と「法の支配」の違いです。
法治主義(形式的): 「法律(ルール)さえあれば、中身がどうあれ従わせることができる」という考え方。過去の独裁国家などはこれを利用しました。
法の支配(実質的): 「権力者(先生や国)であっても、正しい法(人権など)には従わなければならない」という考え方。
レイナ様は13世紀の法学者ブラクトンの言葉を引用して言います。
「国王といえども、神と法の下にある」
つまり、先生であっても、生徒の人権を不当に侵害するルールを勝手に作ることはできないのです。
「悪法は法ではない」——このロジックは、校則に悩むすべての学生にとって、感情論ではなく論理で戦うための最強の武器になります。
4. 憲法は国民への命令じゃない?「ライオンと檻」の話(第10限)
そして第10限。アカリがついに「アカリ帝国」を建国しようとします(!?)。

「憲法って国民に命令する最強のルールでしょ? 私がトップならみんなを縛り放題じゃん!」
ここでも、大きな誤解があります。
日本国憲法第99条を見てみましょう。そこに「国民」の文字はありません。憲法を守る義務があるのは、天皇、大臣、国会議員、裁判官、公務員たちなのです。
漫画では、これを「ライオン(権力)」と「檻(憲法)」の比喩で解説します。
ライオン: 国家権力。鋭い牙を持ち、放っておけば国民(アカリたち)を噛み殺すかもしれない。
檻と鎖: 憲法。ライオンが暴走しないように、ガッチリと縛り付けるための装置。
これが「立憲主義」です。
アカリが先生(権力者)に対して「先生も法の下僕になれ!」**と叫ぶシーンは、まさに立憲主義の実践(?)。
憲法は、遠い永田町の話ではなく、教室という身近な「公共空間」にも存在しているのです。
■ 公民は「暗記」じゃない、「生存戦略」だ。
『公民JK』2巻を通じて伝えたいのは、用語の暗記ではありません。
「なぜそのルールがあるのか?」「その情報は本当か?」「自分たちの権利はどう守るのか?」
そういった「問い」を立てる力です。
2025年の共通テスト対策にはもちろん、
「最近のニュース、よくわかんないな」という大人の方にも、
ぜひ手に取っていただきたい一冊です。
アカリたちと一緒に、痛い目を見ながら(笑)、社会の仕組みをハックしましょう!
📚 『公民JK 2巻』Amazon他で発売中!
コメント