共通テストが終わりました。どんなテストになるのかドキドキでしたがやってみると良問揃いでした。知識を詰め込めば解ける問題はなくなり、資料や図、表を読み解く力が重視された問題ばかりになりました。個人的にこれぞ地歴公民科の問題!と思えるほど良問で、新時代にふさわしいテストだったと思います。
 しかしその一方で従来型のテストを想定した受験対策や、知識詰込み型の学習をしていた生徒さんたちは苦戦した問題だったと思われます。そこで今後の地理の教科指導について思いついたことを書いていきます。
重要な点は以下の3点です。


① 定着させるべき知識の精選

② 資料(図やグラフ等)の読解

③ 長文を読む国語的訓練






従来のテストと共通テストにはこのような差がありました。
地理教育の今後①

 従来のテストは知識があれば簡単に解くことのできる問題が多く、問題のパターンも決まっていたため即答できるものがありました。



しかし今回の共通テストでは以下のように変わりました。
地理教育の今後②

 同じ工業分野の問題なのですが、問題形式が大きく変化しています。同じ工業立地論について聞いている問題なのに従来のテストは「知識詰込み型」に対し、共通テストでは「資料読解思考型」になっていることがわかります。世界各国の位置を暗記して、代表的な都市や地形、地名を暗記するといった「知識詰込み型」では対応できなくなってしまいました。
 
 そこで提案するのが「定着させるべき知識の精選」です。暗記する内容を減らし、その分を資料読解や思考する時間にあてるべきだと考えます。例えば「夏と冬の日本の気圧配置」の図を見せ、「なぜ気圧配置が変わったのか?季節風が季節によって風向が変化する理由は何か?」といった問をたて、生徒に思考させる活動を増やしていくことが求められていくと思います。
 しかしどこまで教えるのか?精選の基準はどうするのか?といった疑問も生まれます。現段階では難しく一人の教師が判断できる内容ではありません。これに関しては「新しい教科書」が来るまで待つしかない。というところが現実的でしょうか。今できることとしたら知識詰込みの時間を減らし、思考の時間を増やしていく授業改革の準備をしていくことだと思います。新しい教科書で出てから知識の精選はするべきなので、その前の準備を今のうちにしておくべきだと考えられます。


 また資料読解の力だけでなく、リード文も長くなりましたので国語的な訓練も必要になってくると思います。そのために本を読む習慣や、各学期に行われる定期考査で長い文章を読む訓練なども行う必要も出てくるでしょう。

以下、今回の提言まとめ

地理教育の今後③


 共通テストを受けて自分の教科指導、授業の在り方について大きく考えさせられました。おそらく新しい教科書はこうした変化に対応した、今までとは違う教科書になっているでしょう。テストや教科書といった大枠の変化が起きる時代になりました。私たち教員側の変化も求められるので、日々新しい知識や手法、生徒が「生きる力」を「地理的」に身に付けられるような授業形態など、様々なことを学び続けなければなりません。そのためにも様々な先生方とつながり、情報交換ができればいいなと思います。





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